益虫と害虫 視点の違い
2019年5月19日 19時35分見事な桜の木が自慢の松柏小学校の校庭ですが、大抵どこの学校でも桜の木はありますよね。前任校も見事な桜の木でしたので、年に何回か消毒をしていました。桜の木には必ず発生する、「イラガ」という黄緑色の毛虫です。もちろん、「きれーい」などと触ったりしてはいけません。毛虫はどの種類でも毛針が刺さって痛いのなんの。「イラガ」はやけどをしたような激痛に襲われます。子ども達にも決して触らないようにと注意しています。しかし、松柏小学校は消毒するまでもなく、あまりイラガの被害にあいません。昨年も今年も、4年生の理科の授業で校庭の生き物を探しているとき、おびただしいほどの「イラガ」の天敵「ヨコヅナサシガメ」が発生していました。羽化した当時は、真っ赤な色の身体で、ちょっとおぞましい感じもします。成長すると黒くなります。とにかくもの凄い数が桜の木を取り巻いているのです。自然の力で弱肉強食の掟に従って、イラガを駆逐していたのです。先日その現場に遭遇し、自然界の厳しい現実に呆然としました。
「イラガ」は桜の木にとって「害虫」です。人は刺されると痛いので、人にとっても「害虫」と判断されるでしょう。「ヨコヅナサシガメ」は、桜の木にとっては害虫退治をしてくれるので「益虫」ですが、人を刺すと猛烈に痛いので「害虫」ですよね。見た目もグロテスクで決して可愛いとか綺麗とか言えたものではありません。でもどちらも害虫だからと駆除すると、イラガが残っていたら、桜の木は枯れてしまいますよね。いつも人間目線でばかり考えていると大きな自然の流れを壊してしまうかもしれませんね。共存すると言うことはそれぞれの特徴を知って、人間はどちらにも触らないようにすればいいと言うことです。決してこの虫たちは自分たちから人間に攻撃してくることはないのですから。