ついに3月31日が来ました 邂逅(かいこう)
2020年3月31日 19時14分2年前、不安しかない中、松柏小学校へ赴任し、たくさんの教員仲間、子どもたち、保護者や地域の方々に温かく迎え入れていただき、本当に有り難かったです。4月初め、松柏小学校の春景色の美しさにうっとりしたのをハッキリと覚えています。今年度は最後に新型コロナウイルスで日本中が、世界中が大変なことになり、学校もその機能を停止せざるを得ない状況となりました。まさに一寸先は闇、当たり前のことが当たり前に続いていくわけではないということが、今なお実感しています。この2年間で松柏小での思い出がたくさんできすぎて、転勤するのはとても寂しく辛いと去る先生方はみんな思っています。みんなにしっかりと感謝の気持ちを伝えたかったことも心残りです。本当にありがとうございました。
邂逅を大切に 松柏小学校教頭 山本基二 最後のホームページです。昨年も紹介しました。
邂逅(かいこう)・・・思いがけなく出会うこと、めぐり逢うこと。たまたま、偶然。
もし自分がこの学校でなかったら……。
もし自分が小学校に赴任されずに中学校だったら…・・・。
もし自分の席がここでなかったら……。
今、悩みをうちあけたり、いっしょに仕事したりしているみんなと話すらできていないはず。
今自分のまわりにいる人達は、偶然のめぐりあわせによって出会った人たちなのです。
私は、中学生の時、将来教員になるとは夢にも思っていませんでした。普通科の高校へ進学したのは、ただ漠然とやりたいことが決まっていなかっただけで、教員になろうと思って普通科の高校を選んだのではないのです。
高校2年の春休み、たまたま加藤諦三の『俺には俺の生き方がある』という生き方・人間の心のあり方のような哲学じみた本を読んだことと、友人の恋の悩みや人生相談を受けるうちに、将来自分は人を相手にする職業に就きたいという気持ちがわいてきたのです。それ以前は、興味が高かった宇宙物理学科へ進み、NASAや天文学者になろうと考えていたのです。
もし本屋にいかなかったら、その本屋に『俺には俺の生き方がある』という本がなかったら、その本を読まなかったら、その高校に行かなかったら、そして友人達からカウンセラーのように相談をされなかったら……。今の自分はあっただろうか・・・。人生って、こういうものなのでしょう。
今でこそいろいろな本を読みます。正直いって当時は偏ったジャンルの本しか読まなかった私が、どういうわけなのか、たまたま、その本を買ってきたのです。どうして読む気になったのだろうかと振り返って考えるとき、また高校を決めるにあたって、別の高校を選んでいたら……、天文学者になるんだと突っ走っていたら……。
たった一冊の本、そして人とのつながりの魅力との出会い、邂逅により、自分の進路が決まったのです。.この2つの邂逅がなければ、今頃、私は違う仕事をしていたでしょう。もちろん、みなさんとの出会いもなかったでしょう。
長い人生には、数多くの出会いがあります。その出会いは、ほとんどが偶然なのです。その偶然の出会いで、自分の人生が決定されることもあるのです。明日、たまたま知りあう人と、一生つきあうようになるのかもしれません。
人はひとりでは生きていけません。いろいろな人のカをかり、助け合って生きていくのです。その人それぞれ、すべて邂逅(思いがけずに出会うこと)によるものです。時には人でなく物との邂逅の場合もあります。
そう考えると、この邂逅、偶然のめぐり会いを大切にしなくてはいけないと強く思うと同時に、感謝したい気持ちでいっぱいになります。
「一期一会の精神を日々の生活の中に生かすべきである」と井上靖は言っています。人とのめぐり会いは、自分の意志とは関係なしにやってくるのです。
これからみなさんも、いろいろな邂逅があります。ぜひどの人にも思いやりを持って出逢いたいですよね。
この最高の出逢いに感謝したいと思います。ありがとうございました<(_ _)>